2016/5/12 15:39:59

いつもと歩き方がおかしい・・・チワワに多い膝蓋骨脱臼ってどんな病気!?

    1.膝蓋骨脱臼とは

    すぐさま治療しなければならない!

     身体の小さいチワワは何かと病気になりやすい為、他犬種と比べて特に健康を意識し、飼い主さんがしっかりと守ってあげる必要があります。
     
     

    その中でもかかりやすい病気の一つとして膝蓋骨脱臼というものがあります。進行が進めば歩行困難になってしまう恐ろしい病気であります。

     
     犬にとって歩行困難になるという事は思ったように行動ができないという事であり、大きなストレスになります。筋肉の低下だけでなく、こうした精神面にも異常が起きてしまう為、膝蓋骨脱臼が発覚したら積極的に治療にあたる必要があります。

     

    グレード毎に症状が変わる

     膝蓋骨脱臼は別名パテラといい、小型犬に多い病気ですが、特に身体が小さく、脚の細いチワワは発症しやすいとされております。
     また、近年極小チワワの流行により、無理な食事制限の結果、充分な骨格形成に至らず、ちょっとした刺激で脱臼を起こしてしまうというチワワが増加しているのです。
     
     この膝蓋骨脱臼は、簡単に言うと脚の膝のお皿がずれてしまう状態の事を指します。
     レベルが4段階あり、初期のころはまったく気づかず、チワワも痛みを感じることなく生活を送ることができますが、重症になればなるほど、歩行困難になります。

    グレード1~2

     膝蓋骨脱臼の段階としてグレード1から簡単に説明していきます。
    グレード1は、ほとんど違和感がなく、チワワ自身も痛みを感じることがないため気づくことがあまりありません。
     自然に外れることはなく、何か脚に負担をかける行為をすると外れますがすぐに勝手に戻ってしまう場合があります。この段階では、チワワのような小型犬なら割とこの症状を抱えているという子も少なくはないので、日常生活さえ気を付ければ問題ないと言えるでしょう。
     

     グレード2の段階になってくると、チワワは脚をかばうような動きをしたり、ピョンピョン不自然な歩き方をする為、この時に気づく飼い主さんも少なくはありません。
     このときの関節は大変不安定であり、常にぐらぐらしている状態です。ちょっとした運動をするだけでも外れてしまい、自然に戻る事はなくチワワも少し痛がるようになります。
     グレード2になってしまうと、日常生活に気をつける、だけでは済まなくなります。進行が進んでいき、グレード3、4になってしまう恐れがありますので獣医師さんとの相談のもと治療を行いましょう。

    グレード3~4

     グレード3にまで進行すると、手術が必要な状態である事が多いです。
     普段の状態でも膝蓋骨が脱臼したままの状態が多く、指などで押すとはまりますが、はなすと外れます。
     常に後ろ脚を引きずるような歩行は見られませんが、痛みのせいか歩行の際は引きずったり引きずらなかったりという独特な歩き方をします。症状のある脚をあげている事が多く見られるでしょう。
     
     そして、最終段階ともいえるグレード4。
    常に外れた状態であり、手術をしない限り外れた骨を戻すことはできません。目に見えて歩行異常があり、運動は一切できなくなります。
     手術をする事で骨を戻す事は出来ますが、完全に元通りにする事はほぼ不可能といっても過言ではありません。ここまで進行してしまうと、骨の変形がかなり見られ、骨の欠損などもあります。 

    photo by Faylyne

    2.先天性か後天性か

     膝蓋骨脱臼は、遺伝性疾患とされています。
     膝蓋骨脱臼の遺伝を持ったチワワが増加すれば増加するほど、繁殖する時に両親どちらもその遺伝を持っている可能性が上がり、産まれてくる子の発症率が何倍にも膨れてしまうのです。
     日本動物遺伝病ネットワークでは、この膝蓋骨脱臼をなくしていくためにも、遺伝疾患の恐れのある犬はJKC血統書に登録するようにと呼びかけています。
     
     また、遺伝を持っていないチワワでも発症することは充分あり得ます。
     ご自宅の床がすべてフローリングであったり、階段の昇降が激しかったり、ソファから飛び降りる事を頻繁に行ったりと、日常生活で足腰に負担をかける事が多いと普通に生活している子と比べて発症しやすくなります。
     
     それだけでなく、食事関連でも影響してきます。骨格上、どうしても細くなってしまうチワワは、骨格形成の為にカルシウムやリンを含むミネラルを充分に摂取する必要があります。
     肥満である事も足腰に大きな負担を与える要因の一つですので、食事管理は充分に気を付けましょう。

    3.おもな治療とは

    進行具合によって変わる

     段階にもよって治療法は異なりますが、グレード1~2の場合はほとんど手術する子はいません。
     
     サプリメントの服用や、チワワの脚に負担がかからないように環境を整えるといった事をして進行を防ぎます。
     
     グレード3~4にもなりますと、絶対に手術が必要になります。グレードが進行すればするほど完治が難しくなる他、手術自体が身体に負担をかけてしまう為若い年齢の内に早急に手術を行いましょう。
     

    環境を整える事が最大の治療と予防

     膝蓋骨脱臼にとって劣悪な環境を作らないことが一番の予防でもあり治療でもあります。
     ご家庭の部屋すべてがフローリングとなっている場合、すべりやすく足に負担をかけさせやすくなっている為、チワワの活動スペースだけでもマットなどで敷き詰める必要があります。
     そして階段の昇り降りをさせない、ソファなどの高い位置から飛び降りさせない事も重要です。階段のところに柵を作ったり、ソファに乗ってきたら叱るなどといったことをすることで防ぎます。
     
     また、最大の天敵は肥満です。人も極度の肥満状態になると膝が痛くなると思います。
    それはチワワも一緒ですので、肥満にならないように食事制限と適度な運動を心がけることが大事でしょう。
     
     骨格形成の為にカルシウムを充分にとり、栄養バランスを考える必要があります。
     チワワに必要な栄養についてはこちらを参照にしてください。 
     

    膝蓋骨脱臼になってしまったからこそ運動を

     よくある勘違いなのですが、膝蓋骨脱臼になってしまったからといって足腰に負担をかけないようにと一切運動を断つ事は厳禁です。
     グレード3~4の状態ですとなかなか運動は難しいかもしれませんが、グレード1~2の状態ならば、なおさら運動をする必要があるのです。
     
     脚に充分筋肉がない状態ですと、体重を支える分膝に余計に負担をかけさせてしまうので、筋肉をつけて丈夫にしたほうが良いでしょう。
     おすすめはプールですが、近所にプールがない場合は自宅の浴槽でも良いでしょう。水中運動は膝に負担をかける事なく筋肉をつける事ができますので、ぜひこの機会にしてみてはいかがでしょうか。